MVDセンター

MVD(エムブイディー)センターについて

MVD(エムブイディー)とは三叉神経痛、片側顔面痙攣への根治的手術である微小血管減圧術(びしょうけっかんげんあつじゅつ)のことです。
三叉神経痛、片側顔面痙攣ともに手術で神経を圧迫する血管を移動させ神経への圧迫を解除することで根治することが可能です。
ばんたね病院MVDセンターは三叉神経痛、片側顔面痙攣の手術に特化し、質の高い医療の提供を目指しております。

神経内視鏡を用いた低侵襲手術

ばんたね病院MVDセンターの最大の特徴は神経内視鏡技術を駆使した手術を行うことです。神経内視鏡を用いることで創部のサイズを最小限にし、一方で通常よりも深部の病変を明瞭に観察することができます。耳の後ろの後頭部に3~4cm程皮膚を切開した後に、頭蓋骨へ1円玉よりも小さな直径1.5cmの穴を開け、骨と脳の隙間から直径4mmの神経内視鏡を挿入し神経と周囲の構造を観察します。映像は4K画素55インチの大型スクリーンに映し出され、微細な構造を詳細まで観察しながら専用の手術機器にて手術を行い、神経を圧迫する血管を移動させます。体への負担が少なく効率的な手術を実施することが可能です。

豊富な手術症例数

2024年の当院における微小血管減圧術の年間手術症例数は207例であり、内訳は三叉神経痛113例、片側顔面痙攣94例でした。過去4年間(2021年~2024年)では合計559例と多くの実績を有しており、愛知県、岐阜県、三重県の東海3県の他、他県からもご来院頂いております。

手術件数

微小血管減圧術の実績

2021

2022

2023

2024年

三叉神経痛

54

99

92

113

片側顔面痙攣

21

19

63

94

舌咽神経痛

1

1

2

0

合計

76

119

157

207例


MVDに特化したチーム医療

三叉神経痛、片側顔面痙攣の手術を専門医師のみで完結することはできません。診療看護師、看護師、検査技師、臨床工学士技師、事務職員等の多職種スタッフが協調することが重要であり、またすべてのスタッフが三叉神経痛、片側顔面痙攣について高度な専門知識、技術を有することが必要となります。
ばんたね病院には、三叉神経痛、片側顔面痙攣への豊富な治療経験を有したスタッフが多数在籍しており、力を結集し皆様の治療に携わり、外来、入院、手術、手術後の早期回復をサポート致します。

手術・入院生活に関するご質問

  • 初回外来受診から手術までの待機期間はどのくらいですか。
    通常1~2週間後となります。病状に応じて更に早期の手術実施やご予定に応じた数か月先の手術日予約にもご対応いたします。
  • 入院日数はどのくらいですか。
    入院期間は通常9~10日間です。事前のご希望と術後の状態により早期退院も可能です。
  • 手術時間はどのくらいですか。
    1時間から1時間半程です。手術時間が短いことも内視鏡手術の長所です。
  • 皮膚はどのくらい切りますか。
    内視鏡手術では耳の後ろ辺りに3~4cm程の切開を行います。皮膚の厚さ、骨の厚さにより、傷の長さの程度が若干変わります。
  • 手術に際して髪の毛を切りますか。
    内視鏡手術では3~4㎝程の切開部の両脇をわずかに剃毛します。髪型にもよりますが、極端に目立つことはありません。手術後の外見変化が少ないことも内視鏡手術の長所となります。 
  • 手術で骨に穴を開けますか。開けた部分はどうなりますか。
    手術では骨に1.5cm程の穴をあけ、その穴から4mm径の内視鏡を挿入し手術操作を行います。開いた穴は医療用の人工骨のセメントで塞ぎ、元の骨と同じ形に修復します。人工骨は数分で固まりますので手術後の生活に問題はありません。各種スポーツ、仕事の作業等に支障はなく、新幹線、飛行機等の乗り物も安心してご利用できます。 
  • 手術の後におでこに傷がありますが何の傷ですか。
    術中は頭部が全く動かないように特殊な器具で頭部を固定します。おでこの傷は固定した部分であり、跡が残らないように縫合処置をしております。
  • 手術後の洗髪はいつからできますか。
    手術後2日目より創部の絆創膏を取り、洗髪ができます。創部が濡れたり、シャンプーが付いても問題はありません。 
  • 髪染めはいつからできますか
    手術後3~4週間目の外来で創部を確認し、問題がなければ可能です 。