脳神経外科

スタッフ紹介

教授
  • 加藤庸子

    くも膜下出血、脳動脈瘤、脳動静脈奇形、脳血管・ストロークセンター及び当科で行う治療・手術全般の統括指導

准教授
  • 川瀬司

    脳腫瘍全般、小児脳神経外科、脳神経外科一般

講師
  • 山田康博

    脳動脈瘤、脳動静脈奇形

助教
  • 宮谷京佑

    脳神経外科一般

助手
  • 寺西隆雄

    脳神経外科一般

客員教授
  • 佐野公俊

    脳血管障害

  • 高木清

    正常圧水頭症(NPH)、軽度外傷性脳損傷

  • 瀧澤克己

    脳血管障害手術(脳動脈瘤手術・バイパス手術・内膜剥離術)、頭蓋底腫瘍

客員准教授
  • 陶山大輔

    血管内治療、正常圧水頭症(NPH)

  • 尾崎聡

    脳血管内治療

教授紹介

ご挨拶

この度、本学脳神経外科に脳血管障害、特に未破裂動脈瘤、生まれつきの脳動静脈奇形、脳梗塞、脳の検診なども含めた脳血管障害を中心とした部門設立を目的として新講座及び脳血管ストロークセンターを設立致しました。
また、今まで同様患者さんとの心のつながりを大切にし心の通った脳神経外科の医療を目的にしております。手術後の後遺症、合併症ゼロを目指し、一日も早い社会復帰、日常生活に支障のない体作りの低侵襲手術を目指していきます。

顕微鏡や血管撮影の機器も導入され、より精度の高い、安全な治療をご提供できるものと確信しております。

また教育面では、本講座が学位・研究ならびに国内外からの留学生の受け入れを積極的に行うことで国際交流を含めた若手医師育成の場となればと考えております。

引き続きのご指導、ご鞭撻の程何卒よろしくお願い申し上げます。

教授 加藤 庸子 Yoko Kato

教室の特色

藤田医科大学ばんたね病院脳神経外科は2007年4月より常勤医3名体制で診療にあたっておりましたが、2014年10月より常勤医5名体制へと増員され、急性期脳卒中を含む24時間救急体制・手術件数の増加など、今まで以上に充実した診療が可能となりました。
脳神経外科全般の疾患に対し、診断・治療を行います。血管造影装置・超伝導MRI・64列マルチCTスキャンによる診断、ニューロナビゲーションシステム支援下での顕微鏡手術や、脳血管内治療といった低侵襲治療を行います。
地域中核病院として、今まで以上に地域医療の貢献に努めたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

診療内容

脳血管障害

従来の開頭手術に加え、脳神経外科において、外科手術の1つに未破裂脳動脈瘤があります。未破裂脳動脈瘤とは、脳の血管の一部に生じた瘤のようなもので、そのままでは特に症状はありませんが、破裂すると大量に出血して生死に関わるくも膜下出血を引き起こします。くも膜下出血の8割の原因は未破裂脳動脈瘤の破裂にあると言われています。くも膜下出血を起こした脳は出血で赤いばかりか、脳がむくみ、手術の難易度は更に高くなります。くも膜下出血の予後は、突然死という最悪の状態を含めて約半数がなくなり、3分の1の方がハンディーキャップを残しての人生となります。それを防ぐためにも、未破裂脳動脈瘤での段階で動脈瘤を治療することが推奨されます。
ただ、すべての未破裂脳動脈瘤に対して治療を行うわけではなく、まずは経過を観察することもあります。積極的な治療を選択する際は、脳動脈瘤のサイズや形、発生している場所、親族でくも膜下出血を起こした人がいるか(家族歴)、高血圧や喫煙歴の有無などが治療の適応決定に重要なカギとなります。これらに該当する方には手術をお勧めしています。
また切らずに治療を行う脳血管内治療にも力を入れています。血管内治療とは、カテーテルを用い、血管の内側より、病変部を治療する手技です。開頭する必要はなく、局所麻酔もしくは静脈麻酔で可能なため、患者様の身体に対する負担が軽く、高齢者にも施行できる低侵襲治療です。くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤にプラチナ製コイルを留置し、動脈瘤を塞栓したり(図1)、また脳梗塞の原因となる動脈の細くなった部分を、風船つきカテーテル(バルーンカテーテル)や金属製の筒(ステント)を用いて拡張し、血液の流れを改善させます(図2)
最近、発症4~5時間以内の脳梗塞において血栓を溶解させる薬剤(組織プラスミノーゲン・アクチベーター・インヒビター:t-PA)が、注目されています。この薬剤は、強力な効果が期待出来る反面、脳出血をおこす場合があり、使用できる施設が限定されています。当院では、適応のある患者さんに対し、t-PAが使用可能な体制が整っています。

脳腫瘍

脳腫瘍全般の治療を行います。特に、聴神経腫瘍や髄膜腫といった良性脳腫瘍の手術を多く手がけています。良性脳腫瘍は、全部摘出できれば手術で根治する事が可能ですが、頭蓋内の深部に発生することが多く、頭蓋底手術という高難度の手術テクニックが必要です。当院では、超音波メスや、ニューロナビゲーションシステム、術中神経モニタリングを用い、腫瘍に隣接した脳幹や、脳神経を傷つけることなく、腫瘍の摘出を行います。ニューロナビゲーションシステムとは、カーナビと同様に、術前の患者さんの頭部MRIを地図として、手術の進行状況や腫瘍と正常脳組織との位置関係をモニターに示してくれることにより安全な手術を支援してくれるシステムです。(図3)

脊椎・脊髄疾患

手のしびれや筋力低下の原因となる変形性頸椎症・頸椎椎間板ヘルニアや、足のしびれや坐骨神経痛の原因となる腰部脊柱管狭窄症・腰椎椎間板ヘルニアの手術を行います。手術顕微鏡下に、椎間板や骨棘を摘出し、脊髄・神経の圧迫を取り除きます。頸椎疾患の場合、チタン製ケージや人工骨スペーサーを用いて固定を行い、手術後早期より歩行が可能です。

頭部外傷

急性硬膜外血腫、急性硬膜下血腫に対し、緊急開頭手術を行い、救命に努めます。また高齢者の場合、慢性硬膜下血腫をおこすことがあります。この場合、頭部打撲の1・2ヶ月後に、半身麻痺や頭痛、痴呆症状が現れます。手術により治すことができます。

微小血管減圧術

顔がピクピクする顔面痙攣や、顔に激痛が走る三叉神経痛は、脳血管(上小脳動脈や前下小脳動脈など)が顔面神経や三叉神経を圧迫していることが原因です。薬物治療やボツリヌス毒素注入(ボトックス)などの治療法もありますが、手術により責任血管を移動させ、神経への圧迫を取り除くことが根本治療であり、完治させることができます。

正常圧水頭症・脳脊髄液減少症

お年寄りによく見られる物忘れ、ヨチヨチ歩き、失禁などの症状は正常圧水頭症という病気が原因となることが珍しくありません。またちょっとしたケガの後、脳脊髄液減少症を発症して頭痛やめまい、集中力の低下などが続き、以前と同じ生活ができなくなることがあります。どちらの病気も比較的簡単な脳外科治療でおよそ8割の人が改善を目指せます。