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脳の精密検査をしてみませんか?

脳の精密検査をしてみませんか?

頭痛、めまい、認知症等症状がある方 頭のチェックをオススメします!

脳の精密検査とは?

将来の発症危険度を早期発見するために、 脳MRIAや頸動脈超音波検査などを行います。
MRIを用いた脳の断層撮影(MRI)と脳血管撮影(MRA)、頸動脈の狭窄を確認する頸動脈超音波検査が一般的です。 検査では、現在の脳の健康状態を確認して、 将来の脳卒中などの発症の危険度を診断します。
 

脳の精密検査でわかる病気

検査項目 検査でわかる病気
頭部MRI 脳腫瘍 脳萎縮の程度、 過去に生じた無症候性
(隠れ) 脳卒中など
頭部 MRA 脳血管の脳動脈瘤 (クモ膜下出血の原因) や狭窄、
閉塞(脳梗塞の原因)など
頸動脈超音波 頸動脈狭窄や動脈硬化 (脳梗塞の原因)など
 

脳の精密検査をおすすめする人

脳卒中は、 突然発症してそのまま命を落とすケースも少なくありません。また、発症後に一命を取り留めたとしても、体の麻痺や言語障害などの後遺症を残すケースも多く、一度の発症で人生を大きく左右する恐れのある疾患です。
自覚症状などの前触れもなく発症する事が多いため、 病気を未然に防ぐためには、生活習慣病の高血圧、糖尿病、脂質代謝異常などの管理が発症リスクを減らす事となり大切となります。 

脳の精密検査が推奨される人のプロフィール

  • 40歳以上でまだ一度も脳の精密検査をしたことがない
  • 高血圧、糖尿病、 脂質代謝異常などの診断を受けている
  • 家系に脳卒中 (特にクモ膜下出血) になった人がいる
  • 飲酒、喫煙の習慣がある

脳の精密検査を受ける際の注意点

検査時の注意点

  • MRIは磁場を用いる検査装置のため、 金属を含む装飾品
  • メイクや、 コンタクトレンズの装着
  •  義歯や入れ歯の使用

検査を受診できない恐れのある人

  • 妊娠中、妊娠の可能性がある人
  • ペースメーカーを使用している人
  • 平成以前に、脳動脈瘤のクリップ手術を受けた事がある人
  • 手術などで金属が体内にある人
  • 刺青(タトゥー)をしている人
  • 閉所恐怖症の人

脳の精密検査でわかること

 画像診断で脳卒中の危険性を発見

脳卒中には、 ① 脳の血管が破堤する脳出血 (18%)、 ②脳の血管に血のかたまり(血栓) がつまる脳梗塞 (75%) ③脳動脈瘤が破裂するクモ膜下出血 (7%)があります。

1.未破裂脳動脈瘤

脳卒中の中で最も怖いのが、死亡率30%の③クモ膜下出血です。 原因は未破裂脳動脈瘤の破裂によります。 これは年齢に関係なく若い人でも起こります。 未然に発見し治療すれば、一命を取り留めることができます。 5mm以上(5mm以下でも形態により) の脳動脈瘤は破裂しやすく、手術が望まれます。


 
 

2.無症候性 (隠れ) 脳梗塞・脳出血

下記に示す微小血管の脳動脈硬化からの、 高度な無症候性 (隠れ) 脳梗塞や、白質不全 (脳) 軟化は、 将来の脳梗塞、 微小出血は将来の脳出血の危険度が増します。 これらは、 脳萎縮と合わせて将来の認知症にも関連してきます。


 

 3.頚動脈狭窄症

頚動脈狭窄症とは、頚動脈の血管壁が血管の内側に向かって不整に厚くなって血液の流れる所が狭くなったものです。 主に血管の老化現象である動脈硬化が原因です。 厚くなった血管壁 (プラーク)が破綻してプラークのカスやそこでできた血の塊 (血栓) が脳へ流れることや、狭窄の程度が強いと脳への血流が低下する事で脳梗塞 (A) が起こります。 狭窄の程度(狭窄率)がひどい (血管壁が厚い)ものほど (D) 脳梗塞になりやすいと言われています。

頸動脈エコー

4.無症候性(隠れ)脳腫瘍

脳の精密検査により偶然無症状の脳腫瘍が発見される場合があります。 悪性脳腫瘍の場合は早期に手術など治療に繋がり、 予後の良い場合があります。良性脳腫瘍では、経過観察で手術適応となる判断が出来ます。

脳の精密検査では、主に将来の脳卒中や認知症の発症危険度がわかり、
生活習慣病の管理などでより発症予防に繋がる利点があります。
脳の精密検査を受けてみたいとお考えの方は、ぜひお問い合わせください!

 

藤田医科大学 ばんたね病院 脳神経外科 教授 加藤 庸子
お問い合わせ TEL:052-321-8171