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すい臓がんドックについて

すい臓がんドックを受けてみませんか?

すい臓がんとは、どのような病気なのか?

 すい臓がんを理解するにはまずすい臓の働きを理解する必要があります。
すい臓は腹部臓器の中では一番、背中側にある臓器で2つの大きな働きがあります。インスリンなどを分泌して血糖値をコントロールする働き、もう一つは消化酵素液を十二指腸に分泌し、蛋白や脂肪などの栄養素を消化分解する働きです。世間でよく知られている予後の悪いすい臓がんは消化酵素液が分泌される膵管内からできる癌(浸潤性膵管癌)のことを言います。

すい臓がんの予後は?

 全国統計によると、がんによる死因は、1位が肺がん、次いで大腸がん、胃がんで、第4位にすい臓がんとなっていて、約4万人の方が年間に亡くなっています。一方で年間のすい臓がんの罹患者数は約4万2千人と公表されていることから、すい臓がんの予後がいかに悪いかが分かります。実際に浸潤性膵管癌は消化器系の癌のなかでも最も予後が悪く、その全体の5年生存率は10%前後と言われています。

すい臓がんの診断は?

 最近の癌治療や治療技術の進歩は日進月歩ですが、すい臓がんの診断と治療は非常に難しいのが現状です。すい臓自体がお腹の奥の方にあり、癌になっても症状がでにくく、症状が出た時には、すでに手遅れになっているということが多いからです。進行した状態だと根治するというのは非常に難しいですので、なるべく早い段階で発見できないかとすい臓の専門家は試行錯誤しています。しかし、残念ながらすい臓がんを早期発見できる確率というのは約0.8%と言われています。

すい臓がんはどう発見したらよいのか?

 胃がんや大腸がんであれば、定期的に胃カメラや大腸カメラを受けるという方法があるのですが、すい臓がんには特定の検診方法がないことが大きな問題です。しかし、すい臓がんになりやすい人、もしくは罹患している可能性が高い人というのがわかってきています。以下のような人は注意したほうがよいと思います。

1)   腹痛やむかつき、背中や腰の痛み、最近、急に体重が減った人

2)   急に糖尿病になった人、また急に糖尿病が悪くなった人

3)   血縁(親、子供、兄弟など)にすい臓がんになったひとがいる

4)   検診でアミラーゼの値が高い、もしくは低いと言われたことがある。

5)   検診で腫瘍マーカー(CA19-9)が高いと言われたことがある。

このような方は、ご自分で心配して専門医を受診することが大事です。

一般的な人間ドックではすい臓がんはみつかりませんのでMRIや特殊な超音波検査が必要となります。

具体的なすい臓がんの最新の治療は?

 転移のないすい臓がんの治療の軸となるのは外科的切除です。ただ、すい臓は小腸や肝臓を栄養する大きな血管が近くにあるので非常に難易度の高い手術となります。進行した状態で安易に外科手術を行うと癌を取りこぼしてしまうということも多いです。したがって、近年はまず化学療法や放射線治療を先行し、腫瘍を小さくしがんの勢力を弱めてから切除を行うという方法が多くのすい臓がんにおいて施行されています。いずれにしても、非常に専門的な治療が必要になるわけです。
残念ながら肝臓や肺など転移があってStageⅣと診断されている場合は、まずは化学療法を行って腫瘍の進行を防ぐことが先決になります。ただStageⅣであっても化学療法が良く効いて、転移が消失し最終的に手術ですい臓癌を切除できる可能性もあるので、すぐには諦めず専門医を受診することが非常に大事です。

すい臓がんと診断された場合、どう向き合っていけばよいのか?

 非常にまずショックを受けられるとは思いますが、冷静になって適切なすい臓がん治療の知識を持った専門医や専門施設をお近くで探すことが大事です。これはすい臓がんの治療自体の専門性が非常に高く、また外科手術も高度な技術が必要となるからです。具体的な専門医や施設の探し方ですが、内科治療の場合、日本膵臓学会の認定指導医、指導医施設を、外科的治療でしたら日本肝胆膵外科学会の高度技能専門医・専門医修練施設を探せば、客観的に信頼のできる施設、治療医に巡り会えると思います。これは専門医を取得するためには治療経験や外科手術の技術をビデオや書類を含めて厳正に資格を審査されているからです。これらの施設や専門医は学会のホームページから簡単に検索できます。良い専門医が見つかりましたら、最近の治療は非常に進歩していますので諦めずに粘り強く治療を継続することが重要です。

藤田医科大学 ばんたね病院 消化器外科 講師 加藤宏之