診療科所属長からのメッセージ
2025年4月にばんたね病院に呼吸器外科が新設されて1年が経ちました。初年度から手術件数は100件を超え、順調に増え続けています。95%以上が単孔式胸腔鏡手術やダヴィンチによるロボット支援手術で、身体への負担の少ない低侵襲手術を徹底しています。
一方で局所再発や薬物療法後に残ったがんの手術、感染を伴う肺の手術など難易度の高い手術を必要とする患者さんを他院からご紹介いただく機会が増えてきています。
最近ではほとんどの手術はガイドラインに則って行われますが、ガイドラインで推奨される治療を受けた後の治療にはこれまでの経験や磨いてきた技術で限界に挑みます。
肺がん、他の臓器から肺へ転移したがん、胸腺などの縦隔腫瘍、胸膜中皮腫、感染症に対する手術を悔いなく安心して受けていただけるように、じっくりと時間をかけてご説明します。
診療科の特色
呼吸器外科では主に肺の手術を行います。他には縦隔(左右の肺の間にある心臓と食道以外のもの)、肋骨、横隔膜の手術も行います。
進行肺癌、縦隔腫瘍、胸膜中皮腫の高難度手術から低侵襲手術・ロボット支援手術(ダヴィンチXi)、気胸、肺感染症、膿胸、縦隔炎、胸部外傷、漏斗胸(ろうときょう)、乳幼児・小児の疾患まで全て対応します。
基本方針
- 早期肺癌:一つの小さな傷で筋肉と骨を切断しない単孔式胸腔鏡手術と肺を極力温存する肺部分切除術、肺区域切除術を積極的に行います。
- 進行期肺癌:ステージ(病期)2以上の肺癌では必要に応じて手術前、あるいは手術後に薬物療法を併用します。当初手術適応の無かった進行肺癌も薬物療法や放射線療法後に根治のチャンスが巡ってきたら肺切除を行います。また治療方針の決定にがんゲノム検査を活用します。低侵襲手術・ロボット支援手術(ダヴィンチXi)で行います。
- 縦隔腫瘍:ほとんどの縦隔腫瘍は胸腔鏡手術やロボット支援手術で骨を切らずに摘除します。血管や肺を巻き込んだ進行癌に対しては開胸手術で周囲組織を合併切除します。近年、胸腺機能の重要性が見直されており、安易な全摘は行いません。
- 胸膜中皮腫:従来は胸膜と肺を全て切除する胸膜肺全摘が一般的でしたが現在では肺を温存して胸膜を全て切除する胸膜切除・剥皮術を行っています。
- 気胸:手術が必要な場合は臨時手術を行います。一つの小さな傷で胸腔鏡手術を行い、速やかな退院、職場・学業への復帰を可能にします。
- 膿胸:早期に胸腔鏡手術を行うことで速やかな回復を目指します。治療が困難な場合も陰圧閉鎖療法(VAC療法)や大網を用いた手術を行って長期間の入院や開窓術を極力回避します。
- 縦隔炎:降下性壊死性縦隔炎は必要に応じて複数回の手術を行い救命に努めます。
- 漏斗胸:形成外科と協力して手術を行います。
- 小児:肺に嚢胞ができる先天性肺気道奇形(CPAM)に胸腔鏡手術を行います。
ベストドクターズ in ジャパン
診療科長の樋田は前任地の藤田医科大学本院や北海道大学に在籍中の2016年以降5回連続、10年間にわたって”Best Doctors in Japan”に選出されています。呼吸器外科のエキスパートに認められた知識と技術でからだに負担の少ない低侵襲手術と外科治療の限界に挑む高難度手術を行っています。


スタッフ紹介
| 教授 |
|
|---|---|
| 助教 |
|


