パルスフィールドアブレーション(PFA)について

PFAとは

パルスフィールドアブレーション(PFA:Pulsed Field Ablation)は、心房細動に対する新しいカテーテル治療です。 従来のアブレーション治療では、高周波(熱)や冷却エネルギーを用いて心臓の組織を焼灼し、心房細動の原因となる異常な電気信号を遮断していました。 一方、PFAは「熱」を使用せず、短時間の電気パルス(パルスフィールド)を用いて心筋細胞に微細な変化を起こし、心房細動の原因となる心筋組織のみを選択的に治療する新しい方法です。


なぜPFAが注目されているのか

従来のアブレーションは有効な治療法ですが、熱を使用するため、まれに心臓周囲の組織(食道や神経など)に影響を与える可能性がありました。



PFAは、心筋と周囲組織の電気的特性の違いを利用して、心筋には作用しやすいものの、その周囲の組織には作用しにくいという特徴があり、より安全性の高い治療法として世界中で注目されています。


 

PFAの原理(電気パルスによる治療)

PFAでは高電圧の電気パルスを短時間作用させることで、心筋細胞の膜に微細な穴を形成し、異常な電気信号を発生する細胞を選択的に治療します。 


この方法は「不可逆電気穿孔(Irreversible Electroporation)」と呼ばれ、不整脈を引き起こす心筋は低い電圧で治療可能な一方、血管や神経、食道といった組織はより高い電圧が必要という性質を利用し、その差を利用し周囲組織への影響を最小限に抑えることが可能な治療法です。







PFAのメリット

PFAには以下のようなメリットがあります。
  • 熱を使わないため周囲組織への影響が少ない
  • 安全性の向上が期待される
  • 従来のアブレーションと同等の治療効果
  • 手術時間の短縮が可能
  • 患者さんの体への負担が少ない

大規模な市販後調査では、重大な合併症は約1%と報告されており、安全性の高い治療法とされています。



PFA治療の流れ

PFAは、従来のアブレーションと同様に、足の付け根の血管からカテーテルを挿入して行います。 
治療は以下の流れで行われます。
  1. 足の付け根からカテーテルを挿入
  2. カテーテルを心臓まで進める
  3. 肺静脈周囲に電気パルスを照射
  4. 異常な電気信号を遮断
  5. カテーテルを抜去

胸を切る手術ではなく、体への負担の少ない低侵襲治療です。


当院での治療方法

藤田医科大学ばんたね病院ではFARAPULSEシステムを使用し、PFA治療を行っています。 
  • 手術時間:約1時間30分
  • 麻酔:局所麻酔+静脈麻酔(深鎮静)
  • 入院期間:2泊3日~3泊4日

治療中は眠った状態で行うため、痛みを感じることはほとんどありません。





PFAの合併症について

PFAは安全性の高い治療ですが、まれに以下の合併症が起こる可能性があります 。
  • 出血
  • 血栓
  • 心タンポナーデ
  • 脳梗塞
  • 溶血
  • 腎機能障害
  • 冠攣縮性狭心症

当院では、安全対策を徹底し、経験豊富な専門医が治療を行っています。


当院でのPFA治療について

藤田医科大学ばんたね病院では、すでに多くの患者さんがパルスフィールドアブレーションによる治療を受けており、良好な治療成績を得ています。
当院では、最新の設備と経験豊富な不整脈専門医により、安全で質の高い治療を提供しています。



PFA治療をご希望の方へ

パルスフィールドアブレーション(PFA)による治療をご希望の方は、担当医にお気軽にご相談ください。 
患者さん一人ひとりの状態に合わせて、最適な治療法をご提案いたします。