腎臓内科

 あらゆる腎臓病に対応できる診療で、地域の皆さまの期待に応えます。

診療科所属長からのメッセージ

「腎臓は沈黙の臓器」
腎臓は背中に左右1つずつあり、こぶしぐらいの大きさです。もっとも重要な腎臓の働きは、体内で発生する老廃物を尿として排泄することです。しかしながら、それ以外にも体内の水分やミネラルのバランスを保つ、赤血球を作る造血や骨を強くするビタミンDを分泌するなど、マルチプレーヤーとして働いています。
何年もかかってゆっくりと腎臓の働きが弱っていく病気を「慢性腎臓病:CKD」と呼びます。日本には約1,300万人の方がCKDにかかっているとされていますが、きちんと治療されている方が、決して多いわけではありません。その大きな理由は、CKDにかかっていても、ほとんどの方で症状がなく気がつかないからです。CKDが進行して、腎臓の働きが通常の10%以下になると透析治療あるいは腎移植を必要とする場合があります。CKDを早期発見することで、進行にある程度ブレーキをかけることができるようになりました。CKDを早期発見するためには、簡単な血液検査と尿検査を受けていただく必要があります。また糖尿病や高血圧などの生活習慣病が、CKDの原因となることが多いので、かかりつけ医と相談してください。
 

診療科の特色

 ばんたね病院腎臓内科は、常勤医5名体制で診療にあたっております。
腎臓病は種類が多いだけでなく、腎臓以外のあらゆる病気が腎臓病を引き起こすことも少なくありません。治療もそれぞれの腎臓病でちがってきます。適切な治療を行うためには、正確な診断が必要です。腎臓病の診断には、血液ならびに尿検査だけではなく、様々な可能性を考えていきます。それらの検査で診断できる場合も多いのですが、腎生検(腎臓から組織を採取して、各種顕微鏡で観察する診断方法)を必要とすることもあります。腎生検実施の際には、ばんたね病院腎臓内科は安全を第一に考え、慎重に行っております。
 尿蛋白あるいは腎機能を示す糸球体濾過量(GFR)が、60未満の状態が3か月以上持続した場合、「慢性腎臓病」と診断されます。当科では慢性腎臓病に対しての治療を主体に行っております。初診の際は、まず血液・尿検査や画像検査によって原因検索を行い、原疾患に応じた治療を行っていきます。ただし、原因の如何に関わらず、高血圧・高血糖・高脂血症等の生活習慣病をしっかりコントロールすることが大切であるため、内服薬の調整や栄養指導を行い、慢性腎臓病と各種合併症の進行を徹底的に予防していきます。食事療法や疾患についてより深く理解されたい場合は、1週間程度の教育入院も行っております。それらの治療を行ったにも関わらず、腎機能が著明に低下して末期腎不全となった場合は、腎臓の機能を代償する治療が必要になります。選択肢としては血液・腹膜透析と腎移植があり、相談した上で最適と思われる治療法を選択していきます。
 ばんたね病院は、通院の血液透析ならびに腹膜透析の受け入れも可能です。

世界規模の研究に参加

1996年から世界で続けられている透析に関する研究(DOPPS研究)に、2023年から参加することになりました。

世界腎臓デー

2022年・2023年と世界腎臓デーに合わせて、金山駅でイベント開催しました。
     

実績

 腎生検

2022年度:6名

新規透析導入

2022年度:血液透析 17名・腹膜透析2名

スタッフ紹介

副院長 教授
  • 稲熊 大城


    【専門分野】
    腎疾患一般・慢性腎臓病・骨ミネラル代謝異常・透析療法一般
    【認定資格等】
    日本内科学会総合内科専門医・認定内科医・指導医、日本腎臓学会認定専門医・指導医、日本透析医学会専門医・指導医

助教
  • 立枩 良崇


    【専門分野】
    腎疾患一般・透析療法一般
    【認定資格等】
    日本内科学会総合内科専門医、日本透析医学会専門医、日本腎臓学会認定専門医

  • 藤井 麻耶


    【専門分野】
    腎疾患一般・透析療法一般
    【認定資格等】
    日本内科学会認定内科医

  • 吉田 浩之

    【専門分野】
    腎疾患一般

  • 加藤 丈一朗


    【専門分野】
    腎疾患一般・透析療法一般